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2,380問
収録問題数
SM-2
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網羅された試験科目

特許法・実用新案法
意匠法
商標法
条約
著作権法・不正競争防止法

問題と解説のサンプル

アプリに収録されている実際の問題と解説です。解説はアプリ内とまったく同じ本文を表示しています。

Q1
通常実施権に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
  • 乙は、甲による発明イの内容を知らずに甲と同じ発明イをし、発明イを実施する事業 を計画した。甲が発明イに係る特許出願をしたとき、乙は、発明イの実施品である製品 Xの製造販売事業を行うにあたり必要となる機械を購入する目的で、銀行に対し資金借 入れの申込みを行っている状態であった。乙が製品Xの製造販売事業を開始した後、甲 による発明イに係る出願は特許権として登録された。この場合、上記申込みは特許法第 79条(先使用による通常実施権)における「事業の準備」に該当しない。
  • 甲による物の発明の特許権について、乙が先使用による通常実施権を有する場合、そ の物を製造する乙の事業について、甲の出願の際現に実施していたその物の製造規模を その発明及び事業の目的の範囲内で拡大することは許される。
  • 特許発明の実施が継続して3年以上日本国内において適当にされていなければ、当該 特許発明を実施しようとする者は、特許法第83条第1項(不実施の場合の通常実施権の 設定の裁定)の規定により、いつでも当該特許発明に係る特許権者に通常実施権の許諾 について協議を求めることができる。
  • 特許発明の実施が公共の利益のため特に必要であるときは、その特許発明の実施をし ようとする者は、特許権者又は専用実施権者に対し通常実施権の許諾について協議を求 めることができる。協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、その特許 発明の実施をしようとする者は、経済産業大臣の裁定を請求することができる。
  • 甲は、実用新案権Aを有し、日本国内において実用新案権Aに係る考案の実施である 事業イを行っていた。事業イの開始後、実用新案権Aに対して、実用新案登録無効審判 が請求され、実用新案権Aに係る実用新案登録出願の考案が、当該出願前に出願された 実用新案権Bに係る実用新案登録出願の考案と同一であるとして、実用新案権Aに係る 実用新案登録を無効とすべき旨の審決が確定した。甲は、上記無効とすべき理由を知ら ないで事業イを行っていたときであっても、実用新案権Bについて、無効審判の請求の 登録前の実施による通常実施権を有さない。
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【正解】

正解: ハ

本肢は、不実施の場合の通常実施権の設定の裁定(不実施裁定)に関する期間制限を誤解させる内容であり、誤りです。

特許法第83条第1項によれば、特許発明の実施が継続して3年以上日本国内において適当にされていないときは、通常実施権の許諾について協議を求めることができます。しかし、同条第2項において、「その特許発明に係る特許出願の日から4年を経過した後でなければ、裁定を請求することができない」と規定されています。

設問の「いつでも」という表現は、この「出願から4年」という期間制限を無視しているため不適切です。裁定制度は、特許権の独占排他性と公共の利益の調和を図るものですが、出願直後の権利保護も重視されるため、一定の待機期間が設けられています。

【他選択肢の解説】

- イ: 正しい。特許法第79条(先使用権)の「事業の準備」とは、即時実施の意図が客観的に表明されている状態を指します(ウォーキングビーム事件: 最判昭61.10.3)。単なる「銀行への資金借入れの申込み」のみでは、まだ客観的な実施の態勢が整っているとは言えず、準備には該当しません。
- ロ: 正しい。先使用権の効力は、出願時に実施・準備していた「発明の範囲」に及びます(スリッター事件: 最判昭44.10.17)。したがって、その発明の範囲内であれば、実施規模を拡大することも許されます。
- ニ: 正しい。特許法第93条(公共の利益のための裁定)の規定です。公共の利益のために特に必要な場合は、協議を経て経済産業大臣に裁定を請求することができます。不実施裁定(特許庁長官)と裁定権者が異なる点に注意が必要です。
- ホ: 正しい。実用新案法第20条第1項(中用権)の規定です。実用新案法では、第37条第1項第6号(先願違反等)に該当して無効となった場合は、中用権が発生しない旨が柱書で明記されています。これは無審査登録制度である実用新案において、先願調査を怠った者への過度な保護を避けるためです。特許法(第80条)にはこの除外規定がないため、実・特の重要な差異です。

【試験ポイント】

1. 裁定通常実施権の期間要件 (特83条)
- 「3年以上不実施」かつ「出願から4年経過」の両方が必要です。
- 協議が成立しないことが裁定請求の前提となります。

2. 先使用権の「事業の準備」 (特79条)
- 判例(ウォーキングビーム事件)の定義「即時実施の態勢」を暗記してください。
- 単なる計画や、漠然とした準備(資金調達の打診など)では足りません。

3. 実用新案法の中用権 (実20条)
- 特許法第80条と異なり、先願違反(実37条1項6号)による無効の場合は中用権が発生しません。
- 実用新案の「無審査登録」という性質に由来する制限です。

改正履歴: 令和3年改正により、裁定制度における「裁定」の名称が一部整理されましたが、本問の根拠条文の骨子に変更はありません。
関連判例: ウォーキングビーム事件(事業の準備の定義)、スリッター事件(先使用権の範囲)

Q2
意匠法第4条(意匠の新規性の喪失の例外)に関し、次のうち、正しいものは、どれか。 ただし、設問で記載した以外の出願は考慮しないものとする。
  • 甲は、意匠イとこれに類似する意匠ロを創作して、両方を公開した。甲は、公開後1 年以内に、意匠イについて意匠登録出願Aをし、意匠ロについて意匠イを本意匠とする 関連意匠として意匠登録出願Bをした。甲は、出願Aをするに際し、公開した意匠イの みについて新規性の喪失の例外の規定の適用を受けるための手続を行い、また、出願B をするに際し、公開した意匠ロのみについて新規性の喪失の例外の規定の適用を受ける ための手続を行えば、出願A及び出願Bについて、意匠イ及び意匠ロの公開を理由とす る意匠法第3条に規定する新規性要件違反による拒絶を回避することができる。
  • 甲は、開発した新製品について特許出願Aをし、その3月後に、当該新製品の販売に より意匠を公開した。販売後、甲は、特許出願Aを意匠登録出願Bに出願変更した。出 願Aが出願Bに適法に出願変更された場合、出願Bについて新規性の喪失の例外の規定 の適用を受けるための手続を行わなければ、出願Bについて、甲自らの販売を理由とす る意匠法第3条に規定する新規性要件違反による拒絶を回避することができない。
  • 甲は、「マスク」の意匠イを創作し、インターネット上で公開した。その3月後、乙 は、独自に創作した意匠イに類似する「マスク」の意匠ロを公開した。その後、甲は、 単独で、意匠イの公開から1年以内に、意匠イに係る意匠登録出願をした。このとき、 甲は、意匠イ及び意匠ロについての新規性の喪失の例外の規定の適用を受けることがで きる。なお、この設問において、意匠登録を受ける権利の承継はないものとする。
  • 甲は、意匠イを創作し、インターネット上で公開した。その3月後、甲は、その意匠 イについて、日本国を指定締約国の一つとした、ハーグ協定のジュネーブ改正協定に基 づく国際出願をした。その国際出願は、国際公表後に、日本国特許庁に国際意匠登録出 願として係属している。甲は、その国際意匠登録出願について、意匠法第4条第2項の 規定の適用を受けようとする旨の書面を、国際公表後、経済産業省令で定める期間内に 日本国の特許庁長官に提出することができる。
  • 甲は、X国において意匠イに係る新製品を販売して、その意匠を公開した後、X国に おいて意匠イに係る意匠登録出願をし、その出願についてX国における新規性の喪失の 例外の規定の適用を受けた。その後、甲が、X国への意匠登録出願を基礎とするパリ条 約による優先権を主張して日本国の特許庁に意匠登録出願をした場合、その出願は、日 本国で新規性の喪失の例外の規定の適用を受けるための手続をしなくても、当該優先権 の主張により、当該新製品の販売によっては新規性が喪失していないものとして取り扱 われる。
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【正解】

正解: ニ

本問は、意匠法第4条(新規性の喪失の例外)の適用要件と、国際出願における特例に関する理解を問う問題です。

意匠法第60条の7第1項により、ハーグ協定に基づく国際意匠登録出願については、新規性の喪失の例外(第4条第2項)の適用を受けるための手続(第4条第3項)に特例が設けられています。通常、国内出願では「出願と同時」に適用を受けようとする旨の書面を提出する必要がありますが、国際出願では国際公表の日後、経済産業省令で定める期間内(30日以内)に、特許庁長官に対して書面および証明書を提出することが認められています。これは、WIPO(世界知的所有権機関)への国際出願時に、日本独自の様式である例外適用の書面を添付することが実務上困難であることに配慮した規定です。したがって、選択肢ニの記述は正しいものです。

【他選択肢の解説】

- イ: 誤り。本問の令和3年度当時、自ら公開した複数の意匠(イとロ)について例外適用の適用を受けるには、原則として公開された意匠ごとに手続を行う必要がありました。本意匠イの出願Aにおいて、類似意匠ロの公開についても手続を行わない限り、ロの公開を理由に拒絶される可能性があります。なお、令和5年改正(2024年1月施行)により、現在は「最先の公開」について手続をすれば、その後の公開については手続が不要となりました。
- ロ: 誤り。出願変更(意匠法第13条)の場合、元の特許出願時に新規性喪失の例外の手続(特許法第30条第3項)を行っていれば、変更後の意匠出願時に改めて手続をしなくても、同時に提出されたものとみなされます(意匠法第13条第5項)。本肢は「手続を行わなければ...回避することができない」と断定している点で誤りです。
- ハ: 誤り。新規性の喪失の例外(意匠法第4条第2項)が適用されるのは、「意に反して」または「権利を有する者の行為に起因して」公開された場合に限られます。乙が独自に創作して公開した意匠ロは、甲の行為に起因するものではないため、甲は乙の公開について例外適用の規定を受けることはできません。
- ニ: 正解の確認: 意匠法第60条の7第1項に基づき、国際公表後に手続を行うことができるため、正しい記述です。
- ホ: 誤り。パリ条約の優先権(第4条B)は、優先権主張日(第一国出願日)から日本出願日までの間の行為(他人の出願や公開)によって不利にならないことを保障するものです。しかし、第一国出願前に行われた公開(本肢のX国での販売)については優先権では救済されません。したがって、日本出願において別途、意匠法第4条の手続を行う必要があります。

【試験ポイント】

新規性の喪失の例外 (意匠法第4条)

1. 適用期間: 公開の日から1年以内に意匠登録出願を行う必要があります。
2. 手続の特例 (国際出願): 国際意匠登録出願では、出願時ではなく国際公表後に書面提出が可能です (意匠法第60条の7)。
3. 優先権との関係: 優先権は「第一国出願前」の公開を救済しません。第一国出願前に公開がある場合は、必ず第4条の手続を併用する必要があります。
4. 他人の独自創作: 権利者の行為に起因しない「他人の独自創作による公開」は、第4条の救済対象外です。

改正履歴: 令和5年改正により、複数の公開がある場合でも、最先の公開について手続をすれば、その後の類似意匠の公開については手続が免除されるようになりました (意匠法第4条第3項ただし書)。

Q3
商標登録出願手続等に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。 ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。
  • 防護標章登録出願に係る願書において、防護標章登録を受けようとする旨の表示が明 確であると認められ、かつ、防護標章登録出願人を特定できる程度に明確な氏名の記載、 防護標章登録を受けようとする標章の記載、及び指定商品の記載があれば、防護標章登 録出願に係る商標登録の登録番号の記載がなくても、防護標章登録出願に係る願書を提 出した日が防護標章登録出願の日として認定される。
  • パリ条約の同盟国の領域内でその政府等が開設する国際的な博覧会に出品した商品に ついて使用をした商標について、その商標の使用をした商品を出品した者がその出品の 日から6月以内にその商品を指定商品として商標登録出願をする場合、その商標登録出 願がその出品の時にしたものとみなされるためには、商標法第9条第2項により商標登 録出願の日から30日以内に所定の証明書を提出しなければならないが、当該証明書を提 出できないことについてその責めに帰することができない理由が存在しない場合であっ ても、当該期間経過後2月以内であれば、当該証明書を提出することができる。
  • パリ条約の同盟国の領域内でその政府等が開設する国際的な博覧会に出品した商品に ついて使用をした商標について、その商標の使用をした商品を出品した者がその出品の 日から6月以内にその商品を指定商品として商標登録出願をし、その出品の時にしたも のとみなされた当該商標登録出願が、団体商標の商標登録出願に変更された場合、もと の商標登録出願について提出された書面又は書類であって、商標法第9条第2項の規定 により提出しなければならないものは、団体商標への出願変更と同時に提出されたもの とみなされる。
  • 日本国民が日本国以外の商標法条約の締約国においてした出願に基づく優先権は、パ リ条約第4条の規定の例により、商標登録出願について、これを主張することができる が、当該優先権の主張をした者は、いわゆる優先権証明書を、原則として、当該商標登 録出願の日から3月以内に特許庁長官に提出しなければならない。
  • 商標登録出願が審査に係属している場合であっても当該商標登録出願について商標法 第76条第2項の規定により納付すべき手数料が納付されていない場合は、2以上の商品 を指定商品とする商標登録出願の一部を1の新たな商標登録出願とすることはできない。
解説を見る

【正解】

正解: イ

防護標章登録出願において、商標登録の登録番号の記載は、出願日の認定を受けるための必須要件です。

1. 商標法第68条第1項において、出願日の認定に関する商標法第5条の2の規定が防護標章登録出願に準用されています。
2. 防護標章登録出願は、自己の登録商標と同一の標章について行うものであるため(商標法第64条第1項)、その基礎となる「登録番号」の記載がない場合、出願の内容が特定できず、商標法第5条の2第1項第4号(商標の記載が明確でない)に準じて、出願日の認定がなされません。
3. 特許庁の運用(方式審査便覧)においても、防護標章登録出願の願書に「登録番号」の記載がない場合は、出願日を認定しないものとされています。

したがって、登録番号の記載がなくても出願日が認定されるとする本肢は誤りです。

【他選択肢の解説】

- イ: 正解の確認。防護標章登録出願では、基礎となる登録商標の登録番号の記載が出願日認定の要件(商標法第68条第1項で準用する第5条の2第1項)に含まれます。
- ロ: 正しい。令和3年改正により、博覧会出品による優先権(商標法第9条)の証明書提出について、期間内に提出できなかった場合に、その理由を問わず(不責事由がなくても)、期間経過後2月以内であれば提出が可能となりました(商標法第9条第3項)。
- ハ: 正しい。商標登録出願を団体商標の商標登録出願等に変更した場合、元の出願で提出した博覧会出品の証明書等は、変更後の出願と同時に提出されたものとみなされます(商標法第11条第5項)。
- ニ: 正しい。商標法条約の締約国への出願に基づく優先権主張(商標法第9条の4)において、優先権証明書は出願日から3月以内に提出する必要があります(商標法第13条第1項で準用する特許法第43条第2項)。
- ホ: 正しい。出願の分割(商標法第10条第1項)は、原出願が審査等に係属していること、および分割と同時に手数料を納付することが要件です。原出願の手数料(商標法第76条第2項)が未納で却下されるべき状態では、適法な分割はできません。

【試験ポイント】

【1. 防護標章登録出願の出願日認定】
防護標章は「特定の登録商標」の化体した信用を保護する制度であるため、願書における登録番号の記載は、通常の出願における「商標の記載」と同等の重要性を持ち、出願日認定の要件となります。

【2. 令和3年改正による手続救済 (商標法第9条第3項)】
博覧会出品の証明書提出について、従来は「責めに帰することができない理由」が必要でしたが、改正により「理由を問わず、期間経過後2月以内」であれば救済されるようになりました。特許法の国内優先権やパリ優先権の証明書提出(特43条等)とは異なる緩和措置である点に注意が必要です。

【3. 出願の分割の時期的・手続的要件】
分割は「審査、審判、再審に係属している間」に限り可能ですが、手数料の納付が前提となります。手数料未納による却下処分が確定する前であっても、手続の適法性が問われます。

改正履歴: 令和3年改正により、商標法第9条第3項(博覧会証明書の提出期限徒過の救済)が新設されました。

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