最短合格へ導く、行政書士試験対策の決定版
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【正解】契約の取消しの意思表示をしようとする者が、相手方の所在を知ることができない場合、公示の方法によって行うことができる。この場合、当該取消しの意思表示は、最後に官報に掲載した日またはその掲載に代わる掲示を始めた日から2週間を経過した時に相手方に到達したものとみなされるが、表意者に相手方の所在を知らないことについて過失があった場合には到達の効力は生じない。
【他選択肢の解説】
A:意思表示の相手方が、正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は通常到達すべきであった時に到達したものとみなされ、相手方が通知の受領を拒絶した場合には意思表示の到達が擬制される。これに対して、意思表示を通知する内容証明郵便が不在配達されたが、受取人が不在配達通知に対応しないまま留置期間が経過して差出人に還付され、通知が受領されなかった場合には、意思表示が到達したものと認められることはない。 → 誤り。判例(最判平成10年6月11日)によれば、受取人が内容を推知することができ、受領も可能であった場合には、留置期間が満了した時点で意思表示が到達したものと認められることがある。
B:契約の取消しの意思表示をしようとする者が、相手方の所在を知ることができない場合、公示の方法によって行うことができる。この場合、当該取消しの意思表示は、最後に官報に掲載した日またはその掲載に代わる掲示を始めた日から2週間を経過した時に相手方に到達したものとみなされるが、表意者に相手方の所在を知らないことについて過失があった場合には到達の効力は生じない。 → 正解。公示による意思表示は、最後に官報に掲載した日またはその掲載に代わる掲示を始めた日から2週間を経過した時に相手方に到達したものとみなされるが、表意者が相手方の所在を知らないことについて過失があったときは到達の効力を生じない(民法98条)。
C:契約の申込みの意思表示に対して承諾の意思表示が郵送でなされた場合、当該意思表示が相手方に到達しなければ意思表示が完成せず契約が成立しないとすると取引の迅速性が損なわれることになるから、当該承諾の意思表示が発信された時点で契約が成立する。 → 誤り。意思表示は相手方に到達した時からその効力を生ずる(到達主義。民法97条1項)。
D:意思表示は、表意者が通知を発した後に制限行為能力者となった場合でもその影響を受けないが、契約の申込者が契約の申込み後に制限行為能力者となった場合において、契約の相手方がその事実を知りつつ承諾の通知を発したときには、当該制限行為能力者は契約を取り消すことができる。 → 誤り。申込者が申込み後に制限行為能力者となった場合において相手方がその事実を知っていたときは、その申込みは効力を有しないとされるのであり(民法526条)、制限行為能力者が契約を取り消すという処理にはならない。
E:意思表示の相手方が、その意思表示を受けた時に意思能力を有しなかったとき、または制限行為能力者であったときは、その意思表示をもってその相手方に対抗することができない。 → 誤り。意思表示をもって対抗することができないのは、相手方がその意思表示を受けた時に意思能力を有しなかったとき、または未成年者もしくは成年被後見人であったときであり、制限行為能力者一般ではない(民法98条の2)。
【正解】天皇の国事行為は本来、厳密に形式的儀礼的性格のものにすぎない、と考えるならば、国事行為としての衆議院の解散の宣言について内閣が助言と承認の権能を有しているからといって、内閣が憲法上当然に解散権を有していると決めつけることはできない、という結論が導かれる。
【他選択肢の解説】
A:衆議院議員総選挙は、衆議院議員の任期が満了した場合と衆議院が解散された場合に行われるが、実際の運用では、任期満了による総選挙が過半数を占め、解散による総選挙は例外となっている。 → 妥当でない。実際の運用では解散による総選挙のほうが大半を占めており、任期満了による総選挙こそが例外である。運用の実態を逆に述べている点で誤り。
B:内閣による衆議院の解散は、高度の政治性を有する国家行為であるから、解散が憲法の明文規定に反して行われるなど、一見極めて明白に違憲無効と認められる場合を除き、司法審査は及ばないとするのが判例である。 → 妥当でない。判例は、衆議院の解散のように直接国家統治の基本に関する高度に政治性のある国家行為については裁判所の審査権が及ばないとしており、「一見極めて明白に違憲無効と認められる場合を除き」という留保は付していない。別の判例で用いられた判断枠組みを混入させた記述である。
C:最高裁判所が衆議院議員選挙における投票価値の不均衡について憲法違反の状態にあると判断した場合にも、内閣の解散権は制約されないとするのが政府見解であるが、実際には、不均衡を是正しないまま衆議院が解散された例はない。 → 妥当でない。解散権は制約されないとする政府見解の部分はよいとしても、投票価値の不均衡が是正されないまま衆議院が解散された例は現に存在するので、後段が事実に反する。
D:衆議院が内閣不信任案を可決し、または信任案を否決したとき、内閣は衆議院を解散できるが、この場合には、内閣によりすでに解散が決定されているので、天皇は、内閣の助言と承認を経ず、国事行為として衆議院議員選挙の公示を行うことができると解される。 → 妥当でない。天皇の国事行為には内閣の助言と承認が必要であり、内閣がすでに解散を決定していることを理由に助言と承認が不要になるわけではない。
E:天皇の国事行為は本来、厳密に形式的儀礼的性格のものにすぎない、と考えるならば、国事行為としての衆議院の解散の宣言について内閣が助言と承認の権能を有しているからといって、内閣が憲法上当然に解散権を有していると決めつけることはできない、という結論が導かれる。 → 妥当である(本問の正解)。国事行為が厳密に形式的儀礼的な性格のものにとどまると考えるならば、その助言と承認の権能をもっているというだけで内閣に実質的な解散決定権が当然に帰属すると結論づけることはできない、という論理になる。
【正解】E(走行中の自動車がキツネ等の小動物と接触すること自体により自動車の運転者等が死傷するような事故が発生する危険性は高いものではなく、通常は、自動車の運転者が適切な運転操作を行うことにより死傷事故を回避することを期待することができるものというべきであって、金網の柵をすき間なく設置して地面にコンクリートを敷くという小動物の侵入防止対策が全国で広く採られていたという事情はうかがわれず、そのような対策を講ずるためには多額の費用を要することは明らかであり、当該道路には動物注意の標識が設置され自動車の運転者に対して道路に侵入した動物についての適切な注意喚起がされていたということができるなどの事情の下においては、高速道路で自動車の運転者がキツネとの衝突を避けようとして起こした自損事故において、当該高速道路に設置または管理の瑕疵があったとはいえない。)
【令和5年度 問20(配点4点)】正解は5。選択肢5は妥当です。最判平成22年3月2日の判決の趣旨に沿った正しい記述です。選択肢1は誤り。予算上の制約は免責事由になりません(最判昭和45年8月20日)。選択肢2は誤り。工事標識板等が倒れていても夜間の直前に生じた場合は瑕疵とはいえません。
【他選択肢の解説】
A:予算措置に困却することを理由に賠償責任を免れられるとする点 → 誤り。営造物責任は設置管理の瑕疵という客観的な安全性の欠如によって生ずる無過失責任であり、判例は、防護柵の設置に多額の費用を要し県が予算措置に困却するという事情があっても、それを理由に賠償責任を免れることはできないとしている(最判昭和45年8月20日)。
B:直前に倒れた工事標識板等の放置についても瑕疵があるとする点 → 誤り。判例は、道路上の工事標識板等が第三者によって倒された直後の事故について、道路管理者が時間的に遅滞なく原状に復して安全な状態に保つことが不可能であったという事情の下では、道路管理に瑕疵はなかったとしている。結論を逆にした肢である。
C:予測できない幼児の行動による転落にも設置管理者が責任を負うとする点 → 誤り。判例は、防護柵が通常の用法に即した使用における安全性を備えている以上、被害者が通常の用法に即しない行動に出た結果生じた事故については、その行動が設置管理者において通常予測することのできないものであるときは、営造物の設置管理に瑕疵はないとしている。
D:公共性があれば受忍限度を超える被害があっても違法性を認定できないとする点 → 誤り。判例は、道路の供用に高度の公共性が認められる場合であっても、周辺住民に社会生活上受忍すべき限度を超える被害が現に生じているときは供用の違法性を認めうるとしている。公共性は受忍限度の判断における一事情にすぎず、それだけで違法性を否定する決め手にはならない。
E:キツネとの衝突を避けようとした自損事故について高速道路に設置管理の瑕疵はないとする点 → 正解。営造物の設置管理の瑕疵は、通常有すべき安全性を欠いているかどうかで判断され、その際には、事故が発生する危険性の程度、回避のために要する費用、同種の対策が一般に採られているか、代替的な安全措置(動物注意の標識による注意喚起)が講じられていたかといった事情が総合的に考慮される。本肢はこれらの事情を挙げて瑕疵を否定しており、判決の趣旨に沿う(最判平成22年3月2日)。予算上の制約だけを理由とする免責が認められない選択肢1と、費用も含めた諸事情を総合考慮する本肢との違いを押さえたい。
【試験ポイント】
行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法・国家賠償法・地方自治法の5本柱。処分性・原告適格・違法性承継が重要論点。(本試験合格ラインは法令等122点・基礎知識24点以上、かつ総合180点以上)
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