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【正解】A及びE(正解が2つあります)
※試験センター『令和4年社会保険労務士試験に係る問題誤りについて』(令和4年10月5日)により、本問は本来正答とされるべき選択肢(E)以外に選択肢(A)も誤った内容であったため、(A)及び(E)の2つが正答とされました。同センター公表の正答表にも『A・E』と記載されています。
※本問の問題文・選択肢は、社会保険労務士試験の公式PDF(試験センター発行)から原文どおりに収録しています。
【各記述の検討】
A ✗ 誤り。法第57条は2つの効果を分けて定めている。第1項は「保険者は、給付事由が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付を行ったときは、その給付の価額……の限度において、保険給付を受ける権利を有する者……が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する」とし、第2項は「前項の場合において、保険給付を受ける権利を有する者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、保険者は、その価額の限度において、保険給付を行う責めを免れる」とする。保険給付を行ったときの効果は損害賠償請求権の代位取得であり、免責の限度は「その価額」(受けた損害賠償の額)である。本肢は第1項の書き出しに第2項の効果を接いでおり、免責の限度を「給付の価額」としている点で条文と一致しない。
B ○ 正しい。法第135条第3項は「日雇特例被保険者に係る傷病手当金の支給期間は、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関しては、その支給を始めた日から起算して六月(厚生労働大臣が指定する疾病に関しては、一年六月)を超えないものとする」と定める。
C ○ 正しい。法第150条第3項は「前項の規定により、労働安全衛生法その他の法令に基づき保存している被保険者等に係る健康診断に関する記録の写しの提供を求められた事業者等は、厚生労働省令で定めるところにより、当該記録の写しを提供しなければならない」と定める。
D ○ 正しい。技能養成工であっても、技能の養成のみを目的とするものではなく、稼働日数・労務報酬等からみて実体的に使用関係が認められる場合は、法第3条第1項の『適用事業所に使用される者』にあたり被保険者資格を取得する。
E ✗ 誤り。法第117条は「被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その全部又は一部を行わないことができる」と定めるが、給付制限の対象は闘争そのものによって給付事由が生じた場合である。数日前の闘争の時点では事故が生じておらず、後日相手が恨みを晴らす目的で不意に危害を加えたという場合は、被保険者の闘争によって給付事由を生じさせたものとはいえず、給付制限の対象にならない。
【試験ポイント】
第三者行為災害では、①保険給付を行った→その給付の価額の限度で損害賠償請求権を代位取得(法57条1項)②先に損害賠償を受けた→その価額の限度で保険給付の責めを免れる(同条2項)、という二方向の調整を『何の限度で』まで含めて覚える。給付制限(法116条・117条)は、被保険者自身の故意・闘争等が給付事由を生じさせたことが要件であり、後日一方的に危害を加えられた場合は含まれない。
【正解】E
※本問の問題文・選択肢は、社会保険労務士試験の公式PDFから原文どおりに収録しています。
Eが正しい。延納は徴収法第18条が「政府は、厚生労働省令で定めるところにより、事業主の申請に基づき、その者が第十五条から前条までの規定により納付すべき労働保険料を延納させることができる」と定める。保険年度の中途に保険料率が引き上げられ追加徴収が行われる場合、既に延納が認められている事業主は、追加徴収される概算保険料についても延納することができる。その最初の期分の納期限は、追加徴収の通知を発する日から起算して30日を経過した日となるから、通知を発した日が令和7年10月20日であれば納期限は同年11月19日である。
【他選択肢の解説】
A: ✗ 誤り。継続事業の概算保険料の延納は、その保険年度の10月1日以後に保険関係が成立した事業については認められない。令和6年11月1日に保険関係が成立した事業は、労働保険事務組合に事務処理を委託していても当該保険年度の概算保険料を延納することはできない。
B: ✗ 誤り。一括有期事業は継続事業として取り扱われるため、延納の要件は概算保険料の額が40万円(労災保険・雇用保険の一方のみ成立している場合は20万円)以上であること、又は労働保険事務組合に事務処理を委託していることである。概算保険料の額が50万円であれば40万円以上であるから延納することができる。
C: ✗ 誤り。増加概算保険料の納付が必要となるのは、賃金総額の見込額が当初の見込額の2倍を超えて増加し、かつ増加後の見込額により算定した概算保険料の額と既に納付した概算保険料の額との差額が13万円以上である場合である。本肢は見込額が500万円から1,200万円へと2倍を超えて増加しているものの、差額が122,500円で13万円未満であるから、増加概算保険料を納付する必要はない。
D: ✗ 誤り。政府が概算保険料の額を決定して通知した場合(認定決定)、事業主は通知を受けた日の翌日から起算して15日以内に納付しなければならない。通知を発した日から起算して30日を経過した日が納期限となるのは追加徴収(選択肢E)の場合であり、両者を取り違えている点が誤り。
【試験ポイント】
延納の要件と期限を整理する。①継続事業(一括有期事業を含む)は概算保険料40万円以上(片保険のみは20万円)又は事務組合委託②その保険年度の10月1日以後に保険関係が成立した事業は延納不可③増加概算保険料は「2倍超」かつ「差額13万円以上」の両方を満たす場合に必要。納期限は、認定決定=通知を受けた日の翌日から15日以内、追加徴収=通知を発する日から起算して30日を経過した日、と起算点も日数も異なるので必ず対で覚える。
【正解】通勤手当は、その金額にかかわらず厚生年金保険法上の報酬に含まれる。
厚生年金保険法3条1項3号は、報酬を「賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもの」と定め、臨時に受けるものと3か月を超える期間ごとに受けるものだけを除いている。通勤手当はこれに当たらないので、所得税法上の非課税限度額とは無関係に全額が報酬に算入される。
【他選択肢の解説】
A:通勤手当は、その金額にかかわらず厚生年金保険法上の報酬に含まれる。 → ◯ 正解。通勤手当はその金額にかかわらず労働の対償として報酬に含まれる。正しい記述で、これが正解。
B:年3回以下支給される賞与は、標準報酬月額の算定基礎に含まれる。 → ✗ 誤り。年3回以下の賞与は報酬ではなく標準賞与額として扱われ、標準報酬月額の算定基礎には含まれない。「算定基礎に含まれる」は誤り。
C:現物給与は、厚生年金保険法上の報酬には一切含まれない。 → ✗ 誤り。現物給与(食事・住宅等)も報酬に含まれる。「一切含まれない」は誤り。
D:臨時に受けるものは、厚生年金保険法上の報酬に含まれる。 → ✗ 誤り。臨時に受けるものは報酬に含まれない。「報酬に含まれる」は誤り。
E:結婚祝金など慶弔見舞金は、厚生年金保険法上の報酬に含まれる。 → ✗ 誤り。慶弔見舞金は労働の対償でなく報酬に含まれない。「報酬に含まれる」は誤り。【他選択肢の解説】
A: 通勤手当は、その金額にかかわらず厚生年金保険法上の報酬に含まれる。 → 本肢が正解。
B: 年3回以下支給される賞与は、標準報酬月額の算定基礎に含まれる。 → 誤り。条文の数値・要件・適用範囲が正解肢と相違している。
C: 現物給与は、厚生年金保険法上の報酬には一切含まれない。 → 誤り。条文の数値・要件・適用範囲が正解肢と相違している。
D: 臨時に受けるものは、厚生年金保険法上の報酬に含まれる。 → 誤り。条文の数値・要件・適用範囲が正解肢と相違している。
E: 結婚祝金など慶弔見舞金は、厚生年金保険法上の報酬に含まれる。 → 誤り。条文の数値・要件・適用範囲が正解肢と相違している。
【試験トラップ】
報酬は労働の対償として受けるすべてのもので、臨時に受けるものと3か月を超える期間ごとに受けるものを除く(法3条1項3号)。通勤手当・住宅手当・残業手当・現物給与は報酬に含まれる。所得税法上の通勤手当の非課税限度額とは関係がなく、全額が報酬に算入される。税法上の扱いと社会保険上の扱いを混同しない。
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