「そろそろ人を雇いたい」——事業が軌道に乗り、はじめて従業員を採用するとき、多くの経営者が戸惑うのが「何の手続きが必要なのか」という点です。給与を払えばよいというものではなく、労働保険や社会保険への加入、労働条件の明示など、法律で定められた手続きがいくつもあります。この記事では、はじめての採用で必要になる労務手続きを、順を追って整理します。
採用が決まったら、まず労働条件を書面で
従業員を採用する際は、賃金・労働時間・休日・契約期間などの労働条件を明示する義務があります。とくに賃金や就業場所、業務内容といった重要な事項は、書面(または本人が希望した場合は電子メールなど)で交付しなければなりません。口頭の約束だけで働き始めてもらうと、後々「聞いていた条件と違う」というトラブルの原因になります。労働条件通知書を用意し、内容を確認してもらったうえで働き始めてもらいましょう。
労働保険(労災・雇用保険)の手続き
従業員を一人でも雇うと、原則として労働保険の対象になります。労災保険はパート・アルバイトを含むすべての労働者が対象で、事業主が加入手続きを行います。雇用保険は、週の所定労働時間や雇用見込み期間などの一定の要件を満たす従業員が対象です。それぞれ、労働基準監督署やハローワークへの届出が必要で、期限も定められています。はじめての採用では、この労働保険の成立手続きから始めることになります。
社会保険(健康保険・厚生年金)の手続き
法人であれば、社長一人の会社でも社会保険(健康保険・厚生年金保険)への加入が原則として必要です。従業員を雇う場合、その方が加入の要件を満たすときは、資格取得の届出を年金事務所へ行います。加入の要件は、労働時間や労働日数、会社の規模などによって変わるため、パートやアルバイトの方については個別の確認が必要です。加入漏れがあると、あとから遡って保険料を求められることもあるため注意しましょう。
10人以上になったら就業規則も
常時10人以上の従業員を使用するようになると、就業規則を作成して労働基準監督署に届け出る義務が生じます。ただし、これは10人未満の会社に就業規則が不要という意味ではありません。少人数のうちからルールを整えておくと、トラブルの予防になり、助成金の申請にも役立ちます。人を増やしていく計画があるなら、早めに準備を始めておくと安心です。
はじめての採用は、専門家に相談を
はじめての採用では、どの手続きを、いつまでに、どこへ出せばよいのかがわかりにくく、期限を過ぎてしまうこともあります。手続きの漏れや遅れは、後々の負担につながりかねません。最初の一人を迎えるときこそ、労務の専門家に相談し、正しい形で体制を整えておくことをおすすめします。
はじめての従業員採用でお困りの方は鈴木社会保険労務士事務所へお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。
